パターン検出を9年分のチャートに通した結果、全18形状のヒット率はこうなった

公開 2026-08-02更新 2026-08-02

チャートパターンは機能するのか。10銘柄・182,341本のローソク足から検出した661件の完成形状と、その後の実際の推移。ダブルトップが教科書どおりに決着したのは10本後で29.1%、トリプルトップは9年間で一度も出現しなかった。

チャートパターンのヒット率とは、完成した形状のうち、古典的テクニカル分析がその形に結び付けている方向へ実際に動いた割合のことです。パターン認識ツールが画面上にヘッドアンドショルダーズを描いたとき、そのツールが暗黙のうちに主張している数値であり、そして、ほとんどのツールが公表していない数値でもあります。

このページでは、その数値を公開します。検出器が扱える18形状すべてについて、教科書的な意味と逆方向に決着した形状も、証拠が足りず何も言えない形状も、そのまま載せます。都合の悪い行を落とさないことは、この種の表が意味を持つための唯一の条件です。

何を計測したか

以下の数値は、検出エンジンを10銘柄の全価格履歴に対して再生し、その後に何が起きたかを記録したものです。

項目内容
データ源Binance の公開ローソク足データ(APIキー・認証なし)
銘柄BTC・ETH・SOL・XRP・BNB・ADA・DOGE・AVAX・LINK・TON(いずれもUSDT建て)
時間足日足および4時間足
対象期間2017年8月17日 〜 2026年7月25日
検査したローソク足182,341本
検出された完成形状661件
計測地点形状の完成から5本後・10本後・20本後・60本後
検出器の最小信頼度0.72
検出器の最小高さATRの2.5倍
割合を公表するサンプル下限30件

このうち2つの行が、他より重い意味を持っています。

検出器のしきい値。信頼度0.72と高さATR2.5倍は、ライブラリの既定値を変更せずに使っています。これが重要なのは、検出される形状の件数が、ほぼ検出器の寛容さだけで決まるからです。この2つの数値を緩めれば、同じ9年間から数倍の形状が出てきます。その大半は境界的なもので、このページのすべての割合が変わります。検出しきい値を伴わないヒット率は、誰にも検証できない主張です。

サンプル下限。完成30件を割ると、割合は証拠ではなく単なる算術になります。3件がすべて同じ方向に動けば100%ですが、それは何も意味しません。下限を割った行は、削除せずに割合だけ伏せて掲載しています。その形状が探索対象であり、かつ滅多に見つからなかったという事実は、読み手が知るべき情報だからです。

先読みをしていないこと

形状のイベント足とは、そのブレイクが観測可能になった足を指します。検出器は最終ピボット以前の足だけから幾何形状を導き、前方へは最初のブレイク足を特定する範囲までしか走査しません。その後の変化率は、厳密にそのイベント足より後だけを計測しています。

これは、チャートパターンの検証で数値が静かに水増しされる典型的な失敗点です。後から振り返ってはじめて存在するスイング全体を使って形を認定し、その形を定義するのに使った動きをそのまま「その後の動き」として計測してしまう。上に書いた分離は、以下の数値がその循環に陥っていないことを担保するためのものです。

全銘柄・全時間足を通した記録

警告記号は、ヒット率が50%以下であることを示します。ダガー記号は、方向についての主張を持たない形状で、ヒット率を公表していないことを示します。

形状サンプル5本後10本後20本後60本後中央値% @5中央値% @10中央値% @20中央値% @60
対称三角形 †211+0.19+0.63+3.88+7.66
下降三角形7449.3% ⚠50.7%50.7%57.5%−0.31−1.24+0.17−0.28
下降ウェッジ6657.6%53.0%47.0% ⚠45.5% ⚠+0.85+1.58+1.72−1.87
ダブルトップ5543.6% ⚠29.1% ⚠40.0% ⚠38.2% ⚠+0.02+3.19+1.49+2.99
ダブルボトム5061.2%63.3%56.3%57.5%+1.75+3.57+8.19+19.47
上昇三角形4344.2% ⚠53.5%53.5%48.8% ⚠+0.94+0.49+0.35−0.52
ブルペナント4250.0% ⚠40.5% ⚠59.5%66.7%+3.10+2.31+4.42+7.65
上昇ウェッジ3461.8%64.7%61.8%52.9%−2.17−2.79−1.32−1.45
ベアペナント3253.1%56.3%53.1%51.6%+1.46+1.63+4.82+7.80
ヘッドアンドショルダーズ15件数不足件数不足件数不足件数不足
逆ヘッドアンドショルダーズ15件数不足件数不足件数不足件数不足
ブルフラッグ8件数不足件数不足件数不足件数不足
ベアフラッグ6件数不足件数不足件数不足件数不足
カップウィズハンドル5件数不足件数不足件数不足件数不足
ラウンディングボトム3件数不足件数不足件数不足件数不足
レクタングル †2件数不足件数不足件数不足件数不足
トリプルトップ0出現なし出現なし出現なし出現なし
トリプルボトム0出現なし出現なし出現なし出現なし

ヒット率と中央値の変化率は、2列で1つの数値として読んでください。どちらも他方なしには解釈できず、両方ともサンプル数を横に置かずには解釈できません。

2つの形状がコイン投げ以下で決着した

20本後の時点で、使えるサンプル数を持つ8つの方向性パターンのうち2つが、教科書的な方向へ動いた割合が偶然と変わらない水準でした。

ダブルトップ — 20本後で55件中40.0%、10本後では29.1%。ダブルトップの古典的な読み方は、下方向への反転です。このデータセットでは、10本後に価格が上にあった事例がおよそ10件中7件でした。同じ地点の中央値の変化率は +3.19% です。

下降ウェッジ — 66件で20本後47.0%、60本後45.5%。ここで興味深いのは水準ではなく減衰です。5本後57.6%、10本後53.0%、そこから半分を割ります。この形状が捉えている何かは、短命な効果であり、数十本のうちに完全に消散しているように見えます。

ダブルトップの行がこうなる理由

当然の反論は、サンプルが「これらの銘柄が上昇して過ごした時間の長い期間」から採られている、というものです。この反論は正しく、最も可能性の高い説明です。上昇傾向のサンプルに対して下方向の含意を持つ形状を計測すれば、その形状はサンプル自体の傾きを引き継ぎます。

それでも数値は調整せずに公表しています。理由は2つあります。

第一に、調整するにはベンチマークを選ぶ必要があり、ベンチマークの選択はすべて計測ではなく主張だからです。同じ期間の当該銘柄自身の傾きを差し引けば、ダブルトップの行は中央に寄ります。しかし他のすべての行も同様に寄るため、読み手が実際に使う「行と行の順序関係」はほとんど変わりません。

第二に、調整前の数値こそが、人が本当に知りたい問いに対する正直な答えだからです。チャート上のダブルトップを見ている人は、市場全体の傾きを除いた後にその形状が予測力を持つかを問うているわけではありません。次に何が起きやすいのかを問うています。過去9年間、これらの銘柄では、次に起きやすかったのは上昇でした。

この数値が意味しないこと

ダブルトップが「逆に読めば使えるシグナル」だという意味ではありません。相関の高い10銘柄から採った55件は、小さく偏ったサンプルであり、ある地点で29.1%、次の地点で40.0%という並びは、雑音と整合的な数値の並びです。擁護できる結論はもっと狭く、もっと退屈なものです。すなわち、この証拠の範囲では、主要暗号資産ペアで完成したダブルトップは、価格が下がりやすいことを立証しない、ということです。

2つの形状は一度も現れなかった

トリプルトップとトリプルボトムは、182,341本の中で検出件数ゼロでした。

これは検出器についての事実であり、その形状が存在しないという主張ではありません。トリプルトップは、1つの構造の中で信頼度0.72と高さATR2.5倍という条件を3回満たし、かつ山と山の間の幾何が許容範囲に収まり続ける必要があります。接触点が1つ増えるごとに、候補が失格になる経路が増えます。9年間を通して、生き残ったものはありませんでした。

ここには、機能一覧にトリプルトップを掲げるすべてのスクリーナーについての教訓があります。ある形状がカタログに載っていて、実装も本物で、それでもなお、そのツールが一度も報告したことのない形状であることはあり得ます。どちらなのかを知る唯一の方法は件数の公開であり、そして件数ゼロという事実は、製品紹介ページが自発的に見せる動機を持たない類の情報です。

18形状のうち9つは、そもそも採点できない

どの計測地点でも完成30件に届くのは9形状だけです。残る9形状は割合を伏せて掲載しています。

形状検出された完成件数
ヘッドアンドショルダーズ15
逆ヘッドアンドショルダーズ15
ブルフラッグ8
ベアフラッグ6
カップウィズハンドル5
ラウンディングボトム3
レクタングル2
トリプルトップ0
トリプルボトム0

ヘッドアンドショルダーズには特に注目する価値があります。テクニカル分析で最も認知度が高く、かつ高い成功率とともに引用されることが最も多い形状だからです。ここでは9年間で15件しか見つかりませんでした。15件では、本当に信頼できる形状とコイン投げを区別できません。そして、そこから割合を作り出す誠実な手続きは存在しません。

サンプルが少ないことが変化率の列に何をするかにも注目してください。ブルフラッグは5本後の中央値 +9.32% という目を引く数値を示していますが、これは8件から出た数値で、観測数が少なすぎて中央値と平均値が一致しています。ラウンディングボトムは5本後の「決定的な割合」が3件中100%です。どちらも何かの推定値ではありません。完全性のために掲載し、そう明記しています。

方向は値幅ではない

ヒット率は価格がどちらに動いたかを数えます。どれだけ動いたかについては何も言いません。表の中には、まずまずのヒット率とゼロに近い中央値変化率が同居している行が複数あり、それらはヒット率の低い行よりも警戒に値します。

下降三角形が最も明確な例です。60本後で57.5%の割合で教科書的な方向へ決着しており、これは使えそうに聞こえます。同じ地点の中央値変化率は −0.28% です。半分をやや上回る事例が下方向へ動き、その典型的な値幅は1%の何分の1かでした。これらの数値には手数料もスリッページも含まれておらず、この規模の値幅を丸ごと消すのに、それらが大きい必要はありません。

上昇三角形は同じ性質の結果を逆側から示しています。20本後で53.5%、中央値 +0.35% です。

これらと比べてほしいのがダブルボトムで、2つの列が曖昧さなく一致している唯一の行です。10本後で63.3%、中央値 +3.57%、60本後には残存47件で中央値 +19.47% まで上がります。これが先ほどの「サンプルの傾き」という反論に耐えるかどうかは、まさにダブルトップの節が提起した問いであり、答えは「部分的には耐えない」です。ただし、方向と値幅がすべての地点で同じ向きを指している唯一の行ではあります。

決定的な割合という列

完全版の分布表には、もう1列あります。ゼロから標準偏差1つ分より遠くで終わった事例の割合です。これは、実際に何らかの大きな動きが続いた形状と、ほとんど何も続かなかった形状を切り分けます。

方向についての主張を持たない形状では、こちらが読むべき列になります。対称三角形は方向を予測しません。それは圧縮であり、予測しているのは「動くこと」です。これを「そもそも動いたか」で採点すれば100%に近い数値が出て、流し読みする人には「常に当たるパターン」に見えてしまいます。エンジンはこれらの形状に対して意図的にヒット率を返さず、表には数値ではなく「方向についての主張なし」と印字されます。

なお対称三角形は、このデータセットで圧倒的に最も多い形状です。完成661件のうち211件、見つかったもの全体のおよそ3分の1を占めます。

他社の公表する成功率との違い

パターン認識プラットフォームは、80%台の成功率を公表することが珍しくありません。それらの数値が誤りだと決めつける根拠はどこにもなく、この表との違いは、論争として扱うのではなく正確に述べる価値があります。

2つの計測の間では、次の4点が変わります。

  1. 検出器の厳しさ。寛容な検出器は境界的な形状を大量に見つけ、厳しい検出器はきれいなものを少しだけ見つけます。両者が見ている母集団は同じ母集団ではありません。
  2. 成功の定義。投影された水準に到達したかどうかは、一定本数後に上か下かという検定とは別物です。前者は一瞬の突発で満たされますが、後者は満たされません。
  3. 対象期間と銘柄。暗号資産主要銘柄の9年間は、株式の30年間ではなく、傾きも同じではありません。
  4. サンプル不足の形状を報告しているかどうか。30件未満の形状を黙って落とした表は、それらを見せる表よりもはるかに一貫して見えます。

実務上の帰結はこうです。サンプル数と検出しきい値を伴わずに公表された成功率は、それらを伴う成功率と比較できません。高い数値が不誠実だという話ではなく、反証不可能だという話です。このページの冒頭に、脚注ではなくしきい値を置いているのはそのためです。

この数値が検証可能である理由

この表を生成したエンジンは決定論的です。同じローソク足からは、どのマシンでも毎回同じ出力が得られ、水準・スイング・形状を計算する経路のどこにもモデル呼び出しはありません。このプロダクトで言語モデルが使われるのは、すでに算出済みの読み取り結果を文章にする段階だけであり、数値を変えることはできません。

この性質こそが、「ダブルトップは10本後に29.1%の割合で教科書的な方向へ決着した、n=55、しきい値0.72およびATR2.5倍」という主張を、単なる断言ではなく検証可能な言明にしています。同じ公開ローソク足データと同じしきい値を持つ人なら誰でも、同じ数値に到達するか、あるいは我々が到達していないことを示せます。

同時にこの性質は、ある種類のツールがこの手の主張を行うことを構造的に不可能にします。チャートを言語モデルに見せて答えさせる仕組みは、同じチャートに対して日によって違う答えを返します。その設計のもとでは、公表されたヒット率が再現可能になる余地はありません。再現すべき固定された手続きが存在しないからです。

公表されている割合は、事実上すべて4時間足の統計である

先ほどの表は日足と4時間足を合算したものですが、この2つを分けると、合算表の見え方が変わります。

日足で完成30件に到達した形状は、対称三角形の1つだけ(30件)です。それ以外はすべて下限を割っています。下降ウェッジ16件、ダブルボトム15件、ベアペナント8件、ダブルトップ6件、上昇ウェッジ4件、ヘッドアンドショルダーズにいたっては9年間で1件です。レクタングル・ラウンディングボトム・トリプルトップ・トリプルボトムは日足では0件でした。

一方4時間足では、対称三角形181件、下降三角形68件、下降ウェッジ50件、ダブルトップ49件、上昇三角形41件、ブルペナント36件、ダブルボトム35件、上昇ウェッジ30件と、8形状が下限に到達しています。

つまり、合算表に印字されている割合は、ほぼそのまま4時間足の統計です。ダブルトップの10本後を4時間足だけで見ると28.6%(49件)で、合算値29.1%とほとんど変わりません。差の大半は、日足側のサンプルが薄すぎて合算値をほとんど動かせないことから来ています。

この点は、そのまま実務上の注意になります。日足のチャートを見ながら「この形は過去にこうなった」と考えるとき、その根拠になっている統計は、実際には4時間足で数えたものかもしれません。9年という期間は長く聞こえますが、日足では2,900本程度にしかならず、厳しい検出器を通せば十数件の形状しか残らないのです。長期の時間足ほど、統計的な裏付けは薄くなります。

AIエージェントは相場分析で実際に何をしているのか

「AIエージェントが仮想通貨市場を分析する」という言い方は、実装によって中身がまったく違うものを指します。この表を生んだ仕組みでは、処理は6つの段階に分かれており、AIが関与するのは最後の1つだけです。

  1. ローソク足の取得 — 取引所の公開APIから、対象銘柄・対象時間足の価格系列を取得します。
  2. 指標の計算 — 移動平均・ATR・出来高などを、参照実装と突き合わせて検証済みの計算式で算出します。
  3. スイング検出 — 価格系列から、意味のある高値と安値の転換点を抽出します。
  4. 形状の判定 — 抽出された転換点の並びを、18種類の定型フォーメーションの幾何条件と照合します。ここで信頼度0.72・高さATR2.5倍のしきい値が効きます。
  5. スコアリング — トレンド・モメンタム・ボラティリティ・出来高・形状という5つのレーンを重み付けして合成し、現時点のチャートの状態を要約します。
  6. 文章化 — ここではじめて言語モデルが登場します。すでに確定した数値と形状名を、読める日本語や英語の文に組み立てるだけです。

重要なのは、1から5までに言語モデルが一切関与していないことです。水準も、形状名も、ヒット率も、決定論的な計算から出ています。言語モデルが落ちた場合には、決定論的なテンプレート文へ段階的に退避し、それでも分析自体は落ちません。

この分業には、このページの本題に直結する帰結があります。同じチャートを与えれば、常に同じ答えが返るということです。逆に言えば、チャート画像を言語モデルに読ませて所見を書かせる方式のツールは、同じチャートに対して日によって違う答えを返すため、そもそもヒット率という概念を定義できません。定義できないものは公表もできません。

「AIが相場を分析する」と聞いたときに確かめる価値があるのは、AIがどれだけ賢いかではなく、AIが処理のどの段階に置かれているかです。数値を出す側に置かれていれば再現性は失われ、文章にする側に置かれていれば再現性は保たれます。

パターン検出の主張を見分ける6つの質問

この記事の数値をそのまま信じる必要はありません。むしろ、この記事を含むあらゆるパターン検出の主張に対して、同じ質問を投げるための材料として使ってください。

  1. サンプル数はいくつか。割合だけが書かれていて件数がなければ、その割合は評価できません。
  2. 検出しきい値は何か。信頼度と最小サイズの条件が示されていなければ、母集団が定義されていないのと同じです。
  3. 対象期間と銘柄は何か。上昇局面だけを含む期間なら、上方向の形状が有利に出ます。
  4. 「成功」の定義は何か。一定本数後の方向なのか、ある水準への到達なのかで、数値は大きく変わります。
  5. サンプル不足の形状は掲載されているか。掲載されていない表は、都合の良い行だけが残っている可能性があります。
  6. 手数料とスリッページは含まれているか。中央値の変化率が1%を下回る形状では、この一点だけで結論が反転し得ます。

この6つに答えられない数値は、間違っているとは限りませんが、確かめようがありません。確かめようのない数値は、判断の材料としては使えません。

この証拠が立証していないこと

数値が引用される場所には、どこであれ並べて置かれるべき注意点なので、率直に書きます。

  1. 661件は小さいサンプルです。意図的に厳しい検出器が9年かけて生み出した件数であり、薄いのです。行と行の間の数ポイント差は順位ではなく雑音です。
  2. 10銘柄は相関しています。おおむね一緒に上下するUSDT建て主要銘柄なので、実効サンプルは生の件数より小さく、661回の独立試行というより、いくつかの独立した相場局面に近いものです。
  3. 変化率は終値ベースです。手数料・資金調達コスト・スリッページは除外しています。中央値変化率が1%未満の行では、この除外分は計測している効果そのものより大きくなります。
  4. 対象は1回強の相場サイクルです。ここにあるすべては2017年以降の暗号資産の歴史から採られています。異なる局面でこれらの割合が持続することは、何も立証されていません。
  5. これは将来についての記述ではありません。表が記録しているのは、これらの形状の後に歴史的に何が続いたかです。予測ではなく、投資助言でもありません。Chart Intel は投資助言を行う登録を受けていません。

このサンプルから、きれいで高く一様な成功率の並びが出てきたとしたら、それは良い検出器の証拠ではなく、どこかに手続き上の誤りがある証拠です。

検出を自動化すると何が変わるか

これを目視ではなくエンジンとして走らせる理由は、速度ではありません。自動化された検出器は、固定された定義に縛り付けられる、ということです。

チャートを目で追ってダブルトップを探す人は、自分が見つけたいものに応じて動くしきい値を適用し、見送った事例を思い出せず、そもそも気づかなかった事例は数えようがありません。これは人への批判ではなく、作業そのものの構造です。ヒット率における分母は、目視によるレビューが供給できないものであり、分母がなければ割合は存在しません。

しきい値が固定されたエンジンは、その構造上、分母を生成します。そして同時に、居心地の悪い行も生成します。一度も出現しなかった形状、使えるサンプル数に到達しなかった9つ、自らの定義と逆方向に決着した有名な形状。エンジンには、ある結果を別の結果より好む仕組みが存在しないからです。それらの行こそが、この作業の実際の産物です。それらを欠いた表は、計測結果ではなく宣伝物です。

まとめ

  • 主要暗号資産10ペアの182,341本を通じ、意図的に厳しい検出器が9年間で661件の完成形状を見つけました。
  • 30件に達したのは18形状のうち9つだけです。残る9つには公表できる割合がなく、うち2つは一度も出現しませんでした。
  • ダブルトップは10本後に29.1%の割合で教科書的な方向へ決着しました(n=55)。下降ウェッジは5本後57.6%から60本後45.5%へ減衰しました。
  • すべての地点でコイン投げを上回り続けたのは、ダブルボトムと上昇ウェッジだけです。
  • 中央値変化率を伴わないヒット率は誤解を招き、サンプル数を伴わない両者は無意味です。
  • この表は見た目より薄く、正直な読み方をすれば、これらの銘柄におけるチャート形状は、その評判が示唆するよりはるかに少ない方向情報しか持っていない、ということになります。

以下の銘柄については、いまチャートに現れている形状を、この同じ記録を添えた状態で確認できます。

よくある質問

ここでいうヒット率とは何ですか?
完成した形状のうち、古典的テクニカル分析がその形に結び付けている方向へ、一定本数後に動いていた割合です。値幅については何も言っていないため中央値の変化率を併記しており、単独では信頼度を意味しないためサンプル数も併記しています。
ダブルトップのヒット率がなぜこんなに低いのですか?
完成した55件のうち、10本後に下落していたのは29.1%でした。対象期間は2017年から2026年で、計測した銘柄が上昇して過ごした時間が長い期間です。教科書上の含意が下向きの形状にとって、サンプル自体の傾きが逆方向に働きました。数値は調整せず実測のまま掲載しています。
18形状のうち多くにヒット率が出ていないのはなぜですか?
どの計測地点でも完成30件に届くのは18形状のうち9つだけだからです。この下限を割ると割合は証拠ではなく単なる算術になるため、掲載していません。ヘッドアンドショルダーズは15件、カップウィズハンドルは5件、レクタングルは2件でした。
トリプルトップが一度も出現しないことなどありますか?
検出器は最小信頼度0.72、最小高さATR2.5倍というライブラリ既定値のまま動かしています。トリプルトップは1つの構造の中でこの条件を3回満たす必要があり、182,341本の中に該当する候補はありませんでした。これは検出器についての事実であり、その形状が存在しないという主張ではありません。
ヒット率が高い形状は有効だということですか?
いいえ。ヒット率は方向のみを数えており値幅を含みません。過半数のヒット率と、ほぼゼロの中央値変化率が同居している形状が複数あります。2つの列を併せて読み、さらにサンプル数と併せて読んでください。
対象の銘柄と時間足を教えてください。
BTC・ETH・SOL・XRP・BNB・ADA・DOGE・AVAX・LINK・TONの10銘柄(いずれもUSDT建て)を、日足と4時間足で、2017年8月17日から2026年7月25日まで、Binanceの公開ローソク足データを用いて計測しました。
他のサービスがもっと高い成功率を出しているのはなぜですか?
公表値は、検出器の厳しさ・対象期間・銘柄構成・そして「成功」の定義によって変わります。サンプル数と検出しきい値を伴わない割合は、それらを伴う割合と比較できません。このページの冒頭にしきい値を明記しているのはそのためです。
これは今後の予測ですか?
いいえ。同じ形状のあとに歴史的に何が続いたかの記録であり、しかも行と行の数ポイント差が誤差に埋もれる程度のサンプル数です。投資助言ではなく、Chart Intelは投資助言を行う登録を受けていません。

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このページの数値は、ツールが動かしているのと同じ決定論的エンジンから出ています。算出方法は公開されており、使用したしきい値も数値と併記しています。

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